地震で器が割れた方へ | 被災した器のお直しの受付をはじめます

この度の地震に被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

弊工房も京都にあり、震源地周辺まではないもののかなりの揺れを記録しました。同時にニュースやメールで流れてくる、ほど近いはずの地域や友人知人たちに突然に降りかかった惨状に何かの間違いではないかと目と耳を疑いました。そして、画面にうつる割れた器や倒れた食器棚をみるたびに、そこにあった日常と思い出が崩れてしまう辛さを想像するばかりでした。

しかし、私たちは普段から、割れた器をお直しして喜んでいただくことを仕事としていたことにあらためて気付き、今回の地震に被災された方が、少しでも日常を取り戻したり、何かを失ってしまう悲しさが和らぐためのお手伝いをできないかと思い、被災した器のお直しをひとつでも多く対応したいと考えました。

現在、インターネット上でも"金継ぎで破損した器が修繕できる。"と話題になっておりますが、地震で割れた器の多くは修繕可能です。器と破片を器ごとに袋にいれるか、マスキングテープで一番大きな破片に小さな破片を貼り付けるかなど、できるだけバラバラにならないように保管いただき、落ち着かれたころにお持ちいただければ、有償にはなりますが、通常よりも抑えた金額(20%引)でお直しさせていただきます。もしくは5つ以上ご依頼の場合は、そのうちの１つを無償でお直しさせていただきます。

本来、全て無償でとお伝えしたいところですが、修繕で職人たちの生活を支えておりますのでご理解ください。まずは自分達のできることから精一杯させていただき、被災された方々が安寧な日々を取り戻すお手伝いを一歩一歩すすめていきたいと思います。

＜金継ぎについて＞

割れた器を再び使えるように修繕する日本の伝統的な技術です。傷跡を隠すのではなく景色として見立て楽しむことで、割れる前以上に器にも個性を与えることができます。

・元々、茶道具や高級な器に使われる技術でしたが、現在は長く大切に使いたい器に施す技術になってきました。

・修繕後は、電子レンジや食洗機はお使いいただけません。漆器同様の取り扱い方法となります。
・器だけでなく、陶磁器製・ガラス製のオブジェなどの修繕も可能です。(継いだ痕は残ります)

＜修繕金額＞

「地震で破損した」と申告いただいた方については、正規御見積額より20%減額(送料・振込手数料のぞく)、もしくは５つ以上ご依頼の場合、そのうち１つを無償でお直しさせていただきます。

※これまで弊工房でお受けした修繕の平均価格は8000円程度(消費税・送料・振込手数料のぞく)です

※弊工房では、器のサイズではなく、割れやカケの長さや大きさの合計で見積を算出しております

※５つ以上持ち込みの場合、無償で対応させていただく器や技法は弊工房にて決めさせていただきます。

＜修理方法＞

通常は①②の技法で修繕しています。スピードと費用を優先できるように、③の技法での修繕も地震で破損した方に限りますが受付いたします。

① 本金継ぎ：漆での接着し、金・銀などの貴金属粉で仕上げ。もしくは色漆で仕上げ。

② 簡易継ぎ：人工樹脂で接着し、金・銀などの貴金属粉で漆を用いて仕上げ。もしくは色漆で仕上げ。

③ 金継ぎ風：接着剤で接着。金色の金属粉を混ぜた樹脂塗料材で仕上げ。

＜修繕にかかる期間＞

① 本金継ぎ：２～３ヶ月～　※破損状況によって異なります

② 簡易継ぎ：1.5～２ヶ月

③ 金継ぎ風：１ヶ月程度

※混み合った場合は、申し訳ありませんが上記よりお届けにお時間かかることがあります

＜その他＞

多少、長めに時間はいただきますが、漆器の欠けや剥がれ、カケや大きな破片での割れであれば、ガラス器も対応可能です。

＜飲食店の方へ＞

２～３つの大きな破片に割れたもの、もしくはヒビのみの破損した器がありましたら、10個おもちいただければ、そのうちご希望の２つを無償で修繕させていただきます。電子レンジと業務用食洗機は使えませんが営業でご使用いただけるように口にあたる部分は天然の素材で仕上げさせていただきます。

※修繕方法は上記②(簡易継ぎ)とさせていただきます。

※残りの８つは弊工房の練習用か販売用にさせていただきます。販売した際の売上の一部を義援金等に寄付させていただきます。

＜連絡先＞

下記までご連絡ください。破損品の状況をみて修繕受付の可否および概算の期間と費用をお伝えします。ご了承いただければ現物をお送りいただき、正式な見積と受付に入らせていただきます。
・数量が１～５個の場合：WEBサイト https://kintsugi-rium.jp の見積依頼フォームからご依頼ください。

・数量が５個以上の場合：メール　info@kintsugi-rium.jp に破損品の個別写真をお送りください。
・工房に直接、お持ち込みされる場合は事前に info@kintsugi-rium.jp まで予定日時をお知らせください。

※いずれの場合も地震での破損の場合はその旨を記載ください。

※写真で拝見した概算と、実物での正式見積では金額に差異がでる場合がありますのでご了承ください。

＜代表連絡先＞
金継工房リウム
京都市下京区北町190ホテルカンラ京都1F
10:00〜17:00＊途中1時間程度の昼休憩有
月曜定休・年末年始休

info@kintsugi-rium.jp